報道によると堤下さんは、いわゆる睡眠薬2種とアレルギーの薬を飲んだ直後に運転し、事故を起こしてしまったとのことでした。
医師から薬を飲んで運転してはいけないと説明されていたようですが、ネットで調べて、家に着くまでは眠くならないだろうと判断してしまったようでした。
薬剤師として、いろいろと思うことがあります。
- 当記事はインパルス堤下さんの謝罪会見を見て、ネットで薬のことを調べることに危険性を感じた個人的な見解です。予めご了承下さい。
インターネットで薬のことを調べるのは難しい
自分で調べる時は「運転しても大丈夫か?」ではなく「何分後から効果がでるか?」を調べてしまうかもしれません。
「今回の3種類の薬を飲んだら何分後に眠くなるのか?」
私には分かりません。
その時の体調によっても違うはずで、今ある私の知識と情報では、何分後から眠くなるのか正直分かりません。
「今回の3種類の薬を飲んだ直後なら運転しても良いか?」
絶対にだめです。
全ての薬剤師がそう答えると思います。
何分後から眠くなるかを調べると「睡眠薬の効果がでるまで概ね15分」「Aという薬の最高血中濃度は1.5時間」等のいろいろな情報が入手できるかもしれません。
しかし、「自分がこの3種類の薬を飲んだら何分後から眠くなるのか?」という情報は無いはずです。
なんとなく自分に該当していると感じる情報から判断してしまうのはとても危険なことです。
薬のことはどうやって調べたらいいの?
すいません。私は知識の無い人が簡単に薬のことを調べる方法を知りません。
例えば、
「朝の薬を飲み忘れたが、どうしたらよいか?」
こんな簡単な質問ですら、私はネットでの調べ方を説明できません。
朝に飲まなければいけない薬があります。飲み忘れたらお昼に飲んでもいい薬があります。明日の朝に飲んだほうがいい薬があります。そしてそれぞれに例外があるかもしれません。
一般的にはこうだけど、○○さんはこうしたほうがいい。ということもあります。
直接電話で相談してもらえればすぐに解決できる問題も、自分で調べてもらうのは難しいと感じています。
どうすれば安全なの?
私は自分で調べるのではなく、聞いて欲しいと思います。
電話が繋がらない時間があるかもしれませんが、その場合も薬のことを調べるのではなく、相談できる相手を調べて欲しいです。
今は24時間の相談に対応している薬局もあります。
何かあった時に気軽に相談できる「お気に入りの薬局」を見つけておくといいかもしれません。
「こんなときどうしたらいいのか?」という疑問があれば、次回薬局に行ったときに是非聞いてみて下さい。
最後に
今は薬の情報が簡単に手に入ります。
私自身、1回の説明でうまく伝わっているか不安を感じることがあります。
自分が飲んでいる薬のことを、ネットで調べるのは当然のことなのかもしれません。
しかし、情報が正しくても、自分には合ってないかもしれません。
何かを判断する前に、薬剤師に相談していただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。