今回は薬歴についてです。
個別指導の基準を満たす薬歴を書くと、労務管理が大変です。
スタッフが患者さんのために残業するのは、医療職なので仕方ありません。
しかし、会社(個別指導用薬歴)のためにスタッフを残業させたくありません。
薬歴は薬学管理に必須だと思っていますが、個別指導のための服薬指導や、個別指導用の薬歴のために残業するのは避けたいです。。
今回は、プロブレムの無い患者さん(無口という設定)の薬歴について、考えてみました。
※あくまでも個人的な考えですので、個別指導で査定されないことを保障するものではありません。参考にするかどうかは自己責任でお願いします。
基本的な構成
当薬局はSOAP形式です。
プロブレムの無い患者さんには重大な副作用(無い場合は頻度の高い副作用)のモニタリングを行います。
S(Subjective)
- 主訴
- 副作用のモニタリング
- 服薬状況
A(Assessment)
- Sに関すること
- 何も無ければSでモニタリングした副作用が問題ない旨
P(Plan)
- 副作用が現れた場合の対処方法の指導
- なにか
こんな感じです。
具体例
処方がACE阻害薬のみの高血圧患者
(この人が個別指導の対象になることはまずありません)
- S
- 血圧もしくは「血圧は安定していて問題ない」等
- 用法通り服用できている等(来局間隔に合わせて)
- 血管浮腫の初期症状が無い旨
- A
- 血管浮腫の副作用が問題ないと思われる旨
- 服用状況問題なし
- P
- 血管浮腫の初期症状が現れた場合の対処方法(受診勧奨)
- 食事指導(減塩)
効率よく薬歴を書くには?
電子薬歴前提ですが、全てマスタに登録します。
- 副作用のモニタリング(この場合は血管浮腫)SAP全て。
- よく使う主訴
- 服薬状況(パターン毎に)
- Aでよく使う文言
- Pでよく使う文言(高血圧の場合、食事、運動、合併症、服用について等。その他の疾患も)
- 運転禁止等の薬剤固有の指導文。
他にもありますが、とにかくマスタ作りが業務効率を改善すると思ってます。
(辞書ツールの単語/用例の登録も使用)
レセコンにもよりますが、ある程度マスタを作れば(かなり大変)、上記の薬歴は慣れている人なら2~3分くらいで入力できるはずです。
しっかりしたマスタを作ればスタッフの残業を減らすことができるのでお勧めです。
※このような薬歴を推奨している訳ではありません。
※地域、会社、レセコン等により様々だと思います。
疑義照会
私は不要と思われる疑義照会はゴニョゴニョします。
ゴニョゴニョとは何かを聞かれても、ゴニョゴニョとしかいいようがありません。
最後に
対物業務から対人業務へ
その通りだと思います。
その過程の中で薬歴も対個別指導から対患者業務へ移行しなければならないと考えています。
このようなどうでもいい薬歴を、未来の薬剤師達が書かなくて良くなることを願います。