薬剤師よっしーのブログ

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新入社員時代、お客さんに「浣腸を入れてください」と言われた話

これは私がドラッグストアの新入社員だった10年以上前の話です。

夜8時くらいだったと思うのですが、コーヒーとアセトンの香りがする中年のおじさんの相談でした。

重度の便秘の方で、市販のイチジク浣腸の使用方法や効果、医療用のグリセリンと種類は違うのかなど、真面目な相談を真剣に対応しておりました。


浣腸を使うのが苦手だが、病院に行く前にもう一度試してみる。ということになり、購入していただきました。


そして、レジを打ち終わった時に

「トイレはありますか?」

と聞かれ、

「ちょっと浣腸を挿れてくれないか」

となったのです。

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当時(2014年通知前)、ドラッグストアで医療行為をしてはいけないと習っており、ちょっとした怪我や鼻血程度も処置できないのかと、悶々とすることがあったのですが、浣腸は予想外でした。

今なら自宅で使用するよう促していそうですが、新入社員だった私は一瞬パニック状態になりました・・・


ドギマギしながらも「ここではそのような医療行為はできません。」という趣旨でお断りしたところ・・・


「じゃあ、ちょっと自分でやってみるから、できなかったらお願いね」


と言い去り、トイレにノシノシと歩いていきました。


引き止めるべきか判断する間もなく彼は去っていったのです。


その日のスタッフは化粧品担当とパートさんしかいなく、誰にも相談できないまま困惑していました。


そしてしばらくして、トイレの方から



「うぉぉぉーーい」



「うぉぉぉーーい」



と、

か細いようでしっかりと、私を呼ぶ声がしました。



そして私は・・・



逃げました・・・


訳も分からずバックヤードに入り、夢中で倉庫の整理をしました。


恐らく私の薬剤師人生で、職務を放棄したのはこの時だけだったと思います。


30分くらいしてから売場に戻るとそのおじさんはいなくなっていました。


それからしばらくは、またおじさんが来て「なんであの時助けてくれなったんだ!」と怒られるのではないかと心配していましたが、二度と来店することはありませんでした。

今なら当時とは違う対応ができると思いますが、私にとっては衝撃的な新入社員時の洗礼でした。

薬剤の使用方法に関する実技指導の取扱いについて

2014年の厚生労働省通知で、下記のように服薬指導の一環として実施できる行為が整理されています。

薬剤師が、調剤された外用剤の貼付、塗布又は噴射に関し、医学的な判断や技術を伴わない範囲内での実技指導を行うこと。

外用剤の貼付塗布又は噴射の実技指導が挙げられておりますが、
「注入」に関する記述はありません。

私は、薬剤師は外用剤を注入することはできないと解釈しております。


薬局で患者さんが怪我をしたり、嘔吐したりすることがあると思います。

一度経験をすると、2回目以降は落ち着いて対応できることが多いですが、


「浣腸を使いたいのでトイレを貸して下さい。」

と言われたらどうするか。

トイレをお貸しした後に

「うぉぉぉーーい」

と叫ばれたらどうするか。


まだ私の中で100点の答えはでておりません。